亀ちゃんダイアリー

竹割り物語

2013-01-22 11:54:20 | 亀井 | 土壁へのこだわり



若僧達の竹割り作業です。えつり(壁下地)の竹です。
ここ最近は竹屋さんの数も少なく高齢になってきました。
いつかはこの若僧達が壁下地を編むときが来るかもしれません。
そのときのために今日は竹屋さんに入門です。
早朝まだ霜柱も消えない薄暗い竹やぶで作業は始まります。

あらかじめ時期の良い時の竹を適寸に切り出してあり、その竹を大きさに合わせて6等分、7等分、8等分に割っていきます、そして節をはねたら出来上がり。
作業は簡単です。
がこの寒い時期にこの作業は大変です、地下足袋の足はしびれてきます、足の上に竹でも転がって来たらうずくまってしまいます。
なたを持つ手も冷たさで感覚がありません。
3メーターの竹を割り裂く作業は壮快で勢いを付けて一気にパカパカパカーっと何枚かに裂いて行きます。
作業をリズミカルにこなしていくと冷たい体もだんだん暖まってきます。

この土場におよそ4件分数百本の竹を数千本に割って束ねていきます。竹屋さんはこれを永遠に約一月?、毎日寒い竹やぶで作業が行われます。
この甲斐あってここの竹屋さんの竹は厚く丈夫なえつり竹になって亀ちゃんの家造りに花を添えてくれます。ありがたいです。





地面の下ではもう夏の準備?カブトムシの立派な幼虫が縮こまって春を待っていました。

土に返ろう

2012-11-19 19:15:08 | 亀井 | 土壁へのこだわり

今回は土壁の性能についてです。

① 吸湿性、断熱性
あえていろいろな断熱材との細かい比較はやめて、土蔵を思い浮かべてください。夏の暑い日にひんやりした涼しさ、梅雨時の、サラサラ感、冬は適度な湿度を保つウルウル感、けど寒いかもしれない。土壁の性能は壁の厚さに左右されると思います。土は断熱性はあまり期待できませんが、蓄熱性はコンクリートや水みたいにあると思います。(断熱材には蓄熱性、ないんじゃないかな?)
熱の伝わり方を厚みで遅くする、夏は外部の昼間の熱が内部に伝わってくるまでに外部の気温が下がってくる。冬は夜の冷気が伝わってくる前に外が暖かくなってくる。それと内部のストーブなどの熱を蓄熱放出してくれる。このように土壁の温度変化はゆっくり変化し人間には優しいのです。
冬場の低い日射を利用して建物の置くまで日射を取り込みそこに蓄熱体の土の床でもあればそれにゆっくり熱を吸収させて夜になって放熱させる暖房方法も実験されてます。
これをボードの土にたとえ、3分(9㎜)ぐらい土を塗ったとしても、本来の土壁の良さは出ないと思います。あと、珪藻土を使用した土は床下や屋根の断熱材?(蓄熱材)に使う事も出来ます。


② 室内空気汚染物質の除去効果と脱臭効果
土壁は他の壁材(新建材、クロスなど)に比べ、タバコの煙や浮遊粉塵などの汚染物質を吸着する働きがある。さらに吸着後の放散量も少ない。

③ 土壁の防耐火性能
 そもそも土は厚さが同じであれば、耐火構造であるコンクリート壁よりも熱を通しにくい。コンクリート壁よりも熱を通しにくい、土壁の厚みが60mm表面温度が1000℃の時でも表面温度は100℃程度にとどまっている。( 建築知識より)
そのとき壁自体は亀裂が入ったり脱落はしないが燃えぬけるとすれば柱と土壁の取りあい、すなわちチリ部分からであるらしい。この部分に隙間が出来にくくするように、やはりチリシャクリが最適ではないかと思う。
また外壁にたとえれば杉の下見板を張ったとき、防火上どうなるかというのは外部で火災があった場合、杉の板が燃え抜けるまで土壁は直接加熱されず温度は上がらない。表面に板を張らない場合よりも柱、梁、壁などで構造体への加熱が遅延され防火上は安全になると考えます。余談で外壁によくある真っ黒な焼杉は、板表面の可燃成分をあらかじめ飛ばしてあるので、処理してない材料に比べて着火直後の発熱量が小さくなるのでより防火的らしいです。
    

  ④ 土壁の強度
    土壁の耐力壁としての働きは、ゆれた時はまず最初に土壁自体の粘りと固さで効いてくる。そしてある程度傾いてくると貫と壁が破断して土壁
    の役目は終わり、貫が柱の所でこじて効いてくるという仕組みです。私達の場合は貫は五段貫で結構こじると思いますがそこまで来る前にがっちり土壁で耐えてほしいと思ってます。



土壁は本当によい材料なので長所、短所をよく踏まえ最大限によさを出すよう心がけていきます。
そのためにいろいろな実験、勉強、努力、手間をかけています。また、土壁の新しい使い方もあると思っています。皆さんも一度考えてみては?

そしてあの臭いを嗅ぎながら土壁を自分でこねてみませんか?


この記事は2012年11月19日 19時15分に更新されました。

土に返ろう

2012-11-16 19:40:30 | 亀井 | 土壁へのこだわり

さて前回の続きです。亀ちゃんの原点の確認です!

● 左官仕事でよく使用する土は粘土です。
  粘土として使われる材料は地中の粘土鉱床から採取されるもので、粘土分が非常に高いものは焼物に、それ以下は瓦材料に使われる。左官材料では粘土分が砂分に対して50%程度の比率のものが使われる。昔から土壁は現場近くで採取される粘土が使われてきた。各地域によっていろいろな土の種類があり、粘りのある土、砂気の多い土、固い土や、柔らかい土、たくさんあるけど基本的には地元の身近な材料でうまく使ってほしいと思います。

● それではこの粘土を使って荒壁を作ります。
① まず泥コン屋で既にブレンドされた荒壁を買ってきます。そして現場か作業場で、4M×4Mぐらいの穴を掘り、そこに一軒分の荒壁をぶっちゃけます。(2tダンプに3杯から4杯)そこにさらにわらを入れ(畳2,3枚ぐらい)かき混ぜます。そしてシートをかけ1ヶ月くらい置いておきます。するとわらが腐り、土がヘドロ色で、独特なる臭を放つようになります。こうなると土の強度も増し、水にも強くなり、わらが繊維素だけになって非常に粘りがでてきます。そしてまたかき混ぜます。これを何回か繰返して出来上がりです。2~3ヶ月ぐらいたてば大丈夫です。
しかしこの作業は最近、臭いがくさいとか、場所的なこと、そして強度がさほど変わらないなどの理由からあまり進めていませんが、やって行きたい作業のひとつです。

② 次に荒壁の下地です。エツリといいます。一般的なものは竹子舞といって割り竹で左官かエツリ師などが編んでいきます。この竹は土と同じく北国以外ではどこでも取れるし、割り加工がしやすいなどからです。これをわら縄または梡縄、麻縄などで絡げて作っていきます。最近では初めから竹が編まれているパネルとかとかステンレスで出来たパネル等が有り、わら縄の代わりにビニールひもなど仕事も簡略化されてきています。(色々問題はありそう)

③ 他に大工が作る木小舞では竹の代わりに木で編みます。木と木を交互にあわせて交点をステンレスの釘で止めていきます。竹子舞に比べて編んでいく手間があまりかかりませんが、壁のつき方が竹に比べて?私もまだやったことがないのでちょっとわかりません。竹に関しては虫がわきやすいので切り旬を重視して使います。木は乾燥した素性のよい杉の柾目材が適しています。

④ こうしてエツリが編み終れば、いよいよ壁付けです。さてこの一連の作業は左官の仕事ではなく、昔は親戚や近所の人達を集めて祭りの様相で荒壁が作られていました。このことを「結い」と言われていたそうです。現在ではこういう集まりは少なくなってきていますが、土壁や昔ながらの仕事に興味のある人達を集めてワークショップ形式でやるのも楽しいかと思います。
荒壁は表、裏と二回に分けて塗ります。夏と冬で違いますが一ヶ月前後乾かせます。
  荒壁は乾燥するにつれてひび割れが入ってきます。このひび割れ、チリすきに中塗り土が入り込んでしっかり接着されます。ひび割れは悪くはないですが小さいほうが強度的な面でも好ましいと思います。私の仕事ではこの土壁の強さで家の強度を出したいので、なるべく固い荒壁を作りたいのです。特に新土(泥コン屋からもらってきたばかりの土)は収縮が大きく乾燥後のあばれも大きいので、これを寝かすことで改善したり、ほかに古土を混ぜる事によって、割れなどを抑える事が出来ます。この古土なんですが、50年程度経過した土壁がよいそうです。この古土の中には、ワラスサ、小舞なわ、中塗りスサ、砂などが入っています。粘性はありませんが有機物を多量に含み、バクテリアなどの活動が盛んになり新土に混ぜると良質な割れにくい荒壁になり、凍害にも強くなるそうです。凍害といえば話は変わりますが、冬場の土壁には凍てるという問題が出てきます。土の中の水分が凍って膨張しそれが溶けると壁がスポンジのようになってしまいます。こうなると壁はパサパサで強度もなく中塗りも出来なくなり崩れ落ちてしまいます。一度、工期がなく2月に荒壁付けをした時がありました。その時は、家全体シートで包み、業務用の大きなストーブを3つ借りてきて夜通したき続けたことがありました。夜間、ストーブは危なかったので、寝袋とウイスキー1本で、あの独特の臭いの中、2日過ごしたこともありました。土壁を付ける時はある程度時期が限定されてきますね。





この記事は2012年11月16日 19時40分に更新されました。

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